(株)生命の水研究所
Water Institute for Life and Natural Science Co.,ltd |
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滝水伝説
フランス・ルルドの泉水は、奇跡を呼ぶ霊水として世界的に広く知られておりますが、日本には霊水としての「滝水」伝説が多く存在します。その中でも良く知られた物語は、「養老の滝」でしょう。 奈良時代、元正天皇(第44代)の頃に、薪取りを生業として、年老いた父親を養う孝行息子がいたといいます。毎日、ヒョウタンを腰にぶら下げては山仕事に出掛け、帰りには父親の大好きな酒を買って戻っていました。 ある日のこと、苔深い石に足を滑らせて落ちてしまいます。しばらくして、気がつくと、酒の香りがほのぼのと漂っていました。岩の間から、湧き出る水が酒の色に似ていたのでした。なめてみると、結構なもので、嬉しくなり、その日から毎日汲んで戻っては父親に飲ませ続けました。 霊亀3年9月に天皇の行幸があった時に、天皇は、それは孝行の賜物であるとほめたたえて、この薪取りの息子を美濃守に任命したといいます。そして、その湧き出た所を「養老の滝」と名付けて、11月には元号を「養老」と改められたと伝えられています。 この物語は、続日本記の元正天皇、養老元年(717年)のくだりに詳しく記されています。11月7日、天皇は宮殿の端近くまで出られて、次のように詔されたといいます。 朕は今年9月(霊亀3年9月のこと)、美濃国(岐阜県南部の旧国名)不破(県南西部、関ヶ原・垂井町からなる狭い地域で、軍事・交通上の要衝にあたっていた)の行宮(天皇行幸の時の仮の皇居)に赴き、数日間逗留した。その時、当養郡の多度山(養老山のこと)の美泉を見て、自ら手や顔を洗ったところ、肌が滑らかになるようであった。また、痛いところを洗うと、痛みが全く除かれてしまった。朕の体にとって大きな効き目があった。また、聞くところによると、これを飲んだり浴びたりする者は、白髪が黒くなったり、禿げ頭に新たに毛が生えたり、あるいは見えない眼が見えるようになったともいう。昔、後漢の光武帝(後漢の始祖で劉秀)の時に醴泉が湧いて、これを飲んだ者は永年の病気が皆治ったという。
符瑞書にも「醴泉は美泉である。これで老いを養うことができる。これは水の精霊であろう」とある。まことに考えると、美泉は大瑞(最大のめでたいしるし)である。 朕は凡庸で劣っている。天の賜物を無視してはならぬ。天下に大赦を行おう。霊亀3年を改めて「養老元年」とし、天下の老人で年80以上の官人に位を一階加えよう。云々。 この醴泉(霊泉)は若返りの泉ともいわれ、フランス・ルルドの泉水以上の効果を発揮しているが、現代風にいえば、鉱泉水=ミネラルウォーターと説明できます。 信じて研究している人は多いが、禿げ頭に新たに毛が生える水が本当に存在したら、現在テレビなどで宣伝(CM)しているかつらメーカー(ヘアケアメーカー)や養毛剤・育毛剤を製造販売している化粧品メーカーにとっては、大打撃になるだろうから、多分、手をこまねているはずはなく、そうした水を利用した養毛剤・育毛剤の開発に直ちに着手するだろう。 水が酒に変わる、それはあり得ない話です。猿が洞窟または岩石のくぼみなどに蓄えて置いた木の実が、自然に発酵して、酒に似た味になったもの=猿酒であったのかも知れません。 また、滝の落ち水、つまり瀑布は大気に接触して、酸素と炭酸ガスをたっぷりと溶かし込みます。だから、生命体に調和する=健康に良い水に近づくのだと、私は考えております。 京都東山三十六峰の一つに音羽山があり、西側の山腹には清水寺があります。ここには、若返りの水として知られる「音羽の滝」がかかっています。清水寺に登る途中には、転んだら三年しか生きられないといわれる三年坂もあり、色とりどりの土産物店を横にみながら、登りつめると、鉄の足駄(弁慶の足駄といわれる)と錫杖が迎えてくれます。清水の舞台を越えてさらに奥に行くと、三本の滝が落ちているのが目に入ります。そのうちの一本が、音羽の滝です。 観光バスのガイド嬢の説明では、一杯いただけば、十年寿命が延び、二杯では寿命の二分の一(五年延び)、三杯は三分の一(三年延び)になりますとのことでした。水に、こうした神秘性を求めるのは、昔も今も変わらないようです。 千年の都である京都には、多数の神社仏閣が存在します。かつて(昭和45年頃)、NMR(核磁気共鳴)分光学の共同研究のために京都大学・工学部に通っていたころ、歴史(小説)の好きな私は、休日のたびに学生たちをつかまえては神社仏閣を案内させたものでした。よく足を運んだ場所の一つに鞍馬山があります。この鞍馬山には、源義経がまだ牛若丸と名乗っていた時に、千年杉の森の中で深夜、天狗を相手に平家打倒の修行をしたとされる鞍馬寺と、貴船神社があるが、実は、この貴船神社の方が「水神社」であることは、あまり知られておりません。 この神社の札には、「水六訓」が記されているが、見事に水の本質をついた表現がなされているので、紹介しておきましょう。
貴船神社の水六訓 一.水は尊し 水無くんば成らず育たず心ある者その加減を知り水を大切にせよ 二.水は美し 冷熱に応じて虹と化し氷と変じ水晶となる 三.水は清し 常に咲いて飽きず汚穢を洗い清める 四.水は強し いかなる障害にも屈せず自ら進みて大をなし他を動かす 五.水は恐し 人を呑み船を覆し山野没して地表をも変貌す 六.水は深し その源神に発し大自然の道を示し波乱曲折の人生を思わしむ
水の本質について、なんと含蓄のある言葉を並べていることでしょう。ちなみに、鞍馬の水は、現在ミネラルウォーターとして市販されています。
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