(株)生命の水研究所
Water Institute for Life and Natural Science Co.,ltd

お茶の話

 夏も近づく八十八夜は、新茶の季節です。新茶の魅力は、何といってもその香りにあります。プーンとした若葉のにおいは、茶葉に含まれる青葉アルコールという成分によるものです。茶葉の成分は、各種の分析技術によって、青葉アルコールを含めて、これまでに300種以上があることも分かっています。

 緑茶と紅茶の化学成分は同じですが、香りは全く違います。これは、含まれる成分の比率に違いがあるからです。緑茶には、窒素やアミノ酸が多く、カテキン類(いわゆるポリフェノール類)、カフェインなどの成分の少ないものが良質とされています。一方、摘み取った若葉を発酵させてつくる紅茶の場合は、おおむね緑茶と反対のものが良質とされています。

 緑茶を実際に飲む状態にして、成分を核磁気共鳴(NMR)法で分析してみました。実験方法は次のようにしました。良質といわれる茶葉とそうではない茶葉を同量取り、同じ量のお湯に浸します。一定時間が経過した後に、茶葉の成分が溶け出た液をNMR法で分析してみますと、良質葉の方がアミノ酸などの量が二倍以上多くなっていました。溶け出る成分が多ければ芳香も強い訳です。

 次に、茶葉組織中の水の状態も調べて見ましたら、良質のものほど、水分子と茶葉組織との結合が強くて、水の動きは遅くなっていました。品質の低い方は、水分子の動きが速く、それだけ、水が組織から遊離していることが分かりました。簡単にいえば、死んだ組織に近い、だからこそ味が落ちるのです。しかし、いくら良質の茶であっても、保管が悪いと、光や空気に触れて味が落ちてしまいます。光や空気との接触を完全に断つことは難しいですが、次善の策として、飲み切るまでは冷蔵庫(冷凍庫が一番良い)中に保管して置きましょう。

 緑茶であれ、紅茶であれ、おいしく飲みたいならば、水のことを忘れてはなりません。水道水や浅井戸の水を使ったのでは、飲む茶の99.9%は、水ですから、せっかくの茶葉が台なしになります。良い水を利用しますと、茶葉の成分量が多く溶け出して、おいしく飲む事ができます。緑茶は、日本に多い軟水に向きます。一方、紅茶は、ヨーロッパに多い硬水でアルカリ性の水に向いています。日本では昔から緑茶が飲まれ、ヨーロッパでは緑茶を発酵させた紅茶が飲まれて来たという文化の違いの一つは、水質の違いがもたらしたともいえるでしょう。

 皆さんは、緑茶を飲んだ後の「出がらし」を捨ててはいませんか。出がらしでも茶葉成分の80%は残っています。これは捨てずに、次のような使い方をしましょう。日本の家庭の96%は、水道水を利用していますから、水道水(細胞を破壊する塩素の入った水)で風呂を沸かして、入っています。これは、アトピー性皮膚炎や敏感肌の人たちには、決して良い水(湯)ではありません。入浴する前に、茶の出がらしをガーゼに包むか履き古したストッキングに入れて、風呂に浮かべ数回撹拌します。そうしますと、緑茶成分の力で、塩素は還元されて全く無害な塩素イオンに変化します。こうすれば、肌を痛める要因がなくなり、温泉のような柔らかい湯になります。この湯で洗顔や洗髪もしましょう。

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